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商標法条約に基づく規則

 ■商標法条約に基づく規則

第1規則 略称
(1)[「条約」及び「条」]
(a) この規則において「条約」とは,商標法条約をいう。
(b) この規則において「条」とは,条約の当該条をいう。
(2)[条約において定義される名称]
条約の適用上第1条において定義される略称は,この規則の適用上同一の意味を有する。
第2規則 氏名又は名称及び住所の記載方法
(1)[氏名又は名称]
(a) 者の氏名又は名称を記載すべき場合には,締約国は,次のことを要求することができる。
(i) 当該者が自然人である場合には,記載すべき氏名については,姓及び名又は当該者が選択したときは当該者が通常使用している氏名とすること
(ii) 当該者が法人である場合には,記載すべき名称については,当該法人の完全な公式の名称とすること
(b) ファーム又はパートナーシップである代理人の名称を記載すべき場合には,締約国は,当該ファーム又はパートナーシップが通常使用している名称を当該名称の記載として認める。
(2)[住所]
(a) 者の住所を記載すべき場合には,締約国は,当該住所について,郵便物が速やかに当該住所に配達されるための慣習上の要件を満たすように記載し及び,いかなる場合においても,すべての該当する単位(建物番号があるときはその番号を含む。)を記載するよう要求することができる。
(b) 締約国は,異なる住所を有する2以上の者の氏名又は名称で自国の官庁に書類が提出される場合には,当該書類に通信のためのあて先として1の住所を明示するよう要求することができる。
(c) 住所の記載については,電話番号及びファクシミリ番号も記載することができ,また,通信の便宜のために,(a)の規定に従って記載された住所と異なるあて先も記載することができる。
(d) (a)及び(c)の規定は,送達のためのあて先について準用する。
(3)[指定される文字]
締約国は,(1)及び(2)に規定する記載を自国の官庁が指定する文字で行うよう要求することができる。
第3規則 出願に関する細目
(1)[標準文字]
出願人が締約国の官庁によって指定された標準文字で標章が登録され及び公告されることを希望する旨の陳述が第3条(1)(a)(ix)の規定に従って願書に記載されている場合には,当該官庁は,当該標準文字で当該標章を登録し及び公告する。
(2)[複製の数]
(a) 出願人が標章の識別性のある特徴として色彩を主張する旨の陳述が願書に記載されない場合には,締約国は,標章の複製に関し,次のものを要求することができる。
(i) 標章が自国の官庁によって指定された標準文字で登録され及び公告されることを出願人が希望する旨の陳述が願書に記載されることを自国の法令が認めていない場合又は当該陳述が願書に記載されない場合には,白黒の複製5通
(ii) 標章が自国の官庁によって指定された標準文字で登録され及び公告されることを出願人が希望する旨の陳述が願書に記載される場合には,白黒の複製1通
(b) 出願人が標章の識別性のある特徴として色彩を主張する旨の陳述が願書に記載される場合には,締約国は,標章の白黒の複製5通及び標章の色彩を付した複製5通を要求することができる。
(3)[立体標章の複製]
(a) 標章が立体標章である旨の陳述が第3条(1)(a)(xi)の規定に従って願書に記載される場合には,当該標章の複製は,平面的な図面に表された複製又は写真による複製とする。
(b) (a)の規定に従って提出される複製は,出願人の選択により,1の方向から表された標章の平面的な図面若しくは写真又は2以上の異なる方向から表された標章の平面的な図面若しくは写真によって構成することができる。
(c) 官庁は,(a)の規定に従い出願人によって提出された標章の複製が立体標章の詳細を十分に表していないと認める場合には,出願人に対し,合理的な期間内に6以下の異なる方向から表された標章の平面的な図面若しくは写真又は当該標章の言葉による説明書を提出するよう求めることができる。この場合において,当該期間については,その求めにおいて指定する。
(d) 官庁は,(c)に規定する図面若しくは写真又は説明書が立体標章の詳細をなお十分に表していないと認める場合には,出願人に対し,合理的な期間内に当該標章の見本又はひな形を提出するよう求めることができる。この場合において,当該期間については,その求めにおいて指定する。
(e) (2)の(a)(i)及び(b)の規定は,立体標章について準用する。
(4)[標章の音訳]
第3条(1)(a)(xiii)の規定の適用上,標章が,官庁によって指定された文字以外の文字による事項若しくは当該官庁によって指定された数字以外の数字で表された数によって構成され又はこれらの事項若しくは数を包含する場合には,当該事項又は数を当該官庁によって指定された文字及び数字で音訳するよう要求することができる。
(5)[標章の翻訳]
第3条(1)(a)(xiv)の規定の適用上,標章が,官庁が認める言語以外の言語による単語によって構成され又はこれらの単語を包含する場合には,当該単語を当該官庁が認める1の言語又は2以上の言語のうちのいずれか1の言語に翻訳するよう要求することができる。
(6)[標章の実際の使用に関する証拠の提出のための期間]
第3条(6)に規定する期間は,願書が提出された締約国の官庁が実際の使用を条件として標章を登録する旨の決定を行った日から起算して6箇月以上とする。出願人又は名義人は,当該締約国の法令で定める要件に従うことを条件として,当該期間の延長を求める権利を有する。この場合において,各延長期間は,6箇月以上とし,延長期間の合計は,2年6箇月までとする。
第4規則 代理に関する細目
第4条(3)(d)に規定する期間は,関係締約国の官庁が同条(3)(d)に規定する書類を受理した日から起算するものとし,自己のために書類が提出された者の住所が当該締約国の領域内にある場合には1箇月以上とし,当該住所が当該締約国の領域外にある場合には2箇月以上とする。
第5規則 出願日に関する細目
(1)[要件を満たしていない場合の手続]
出願が官庁による願書の受理の時に第5条の(1)(a)又は(2)(a)の要件を満たしていない場合には,当該官庁は,出願人に対し,当該要件を満たすよう直ちに求める。この場合において,当該要件を満たすべき期間については,その求めにおいて指定する。当該期間は,出願人の住所が関係締約国の領域内にある場合には当該求めの日から1箇月以上とし,当該締約国の領域外にある場合には2箇月以上とする。当該求めに応ずるに当たって特別の料金の支払を条件とされる場合には,これを支払う。官庁が当該求めを送付しない場合であっても,同条の(1)(a)又は(2)(a)の要件は,影響を受けない。
(2)[補完の場合の出願日]
出願人が(1)に規定する求めにおいて指定された期間内に,当該求めに応じ及び必要な特別の料金を支払う場合には,出願日は,第5条(1)(a)に規定するすべての必要なものが官庁によって受理され及び,該当するときは,同条(2)(a)に規定する必要な料金が当該官庁に支払われた日とする。出願人が当該期間内に,当該求めに応じない場合又は必要な特別の料金を支払わない場合には,出願は,行われなかったものとみなされる。
(3)[受理日]
締約国は,文書が現に次のものによって受領され又は料金が現に次のものに支払われたことを自国の官庁によって文書が受理され又は自国の官庁に対し料金が支払われたとみなす場合について決定することができる。
(i) 当該官庁の支部
(ii) 当該締約国が第19条(1)(ii)に規定する政府間機関である場合には,当該政府間機関の官庁に代わる国の官庁
(iii) 公の郵便業
(iv) 公の郵便業以外の配達業であって当該締約国が指定するもの
(4)[ファクシミリの使用]
締約国がファクシミリによる願書の提出を認め,かつ,願書がファクシミリによって提出された場合には,当該締約国の官庁が当該ファクシミリを受理した日を当該願書の受理日とする。もっとも,当該締約国は,自国の官庁が当該ファクシミリを受理した日から1箇月以上の一定の期間内に当該願書の原本が当該官庁に到達するよう要求することができる。
第6規則 署名に関する細目
(1)[法人]
書類の署名が法人を代表して行われる場合には,締約国は,署名し又は押印する自然人の署名又は印影に当該者の姓及び名又は当該者が選択したときは当該者が通常使用している氏名を文字で付記するよう要求することができる。
(2)[ファクシミリによって提出される書類]
第8条(2)(b)に定める期間は,ファクシミリによる送付の受理の日から1箇月以上とする。
(3)[日付]
締約国は,署名又は印影に署名し又は押印した日の日付を付記するよう要求することができる。付記することが要求されているにもかかわらず付記されていない場合には,署名し又は押印したとみなされる日は,当該署名がされ若しくは印影が押された書類を自国の官庁が受理した日付又は当該締約国が認めるときは当該官庁が受理した日よりも前の日とする。
第7規則 出願番号によらずに出願を特定する方法
(1)[特定の方法]
出願番号によって出願を特定するよう要求されている場合において,出願番号が付されていないとき又は出願人若しくはその代理人が出願番号を知らないときは,当該出願は,次のいずれかのものが提出されたときに特定されたものとみなされる。
(i) 官庁が与えた仮の出願番号がある場合には,同番号
(ii) 願書の写し
(iii) 標章の複製であって,官庁が願書を受理した日(当該出願人又はその代理人の知識の及ぶ限りにおいて記載する。)及び当該出願人又はその代理人が当該願書に付した識別のための番号を付記したもの
(2)[その他の要件の禁止]
出願番号が付されていない場合又は出願人若しくはその代理人が出願番号を知らない場合には,いかなる締約国も,出願を特定するために,(1)に定める要件以外の要件を満たすよう要求することができない。
第8規則 存続期間及び更新に関する細目
第13条(1)(c)の規定の適用上,更新の申請書を提出することができ及び更新のための料金を支払うことができる期間は,更新が行われるべき日の6箇月以上前に開始し,当該更新が行われるべき日の6箇月以上後に終了する。更新が行われるべき日の後に更新の申請書が提出され又は更新のための料金が支払われる場合には,締約国は,割増料金の支払を更新の条件とすることができる。

 

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