プログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律
■プログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律
プログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律(昭和六十一年五月二十三日法律第六十五号)
最終改正年月日:平成一八年六月二日法律第五〇号
第一章 総則(第一条)
第二章 登録手続等に関する特例(第二条―第四条)
第三章 登録機関に関する特例(第五条―第二十八条)
第四章 罰則(第二十九条―第三十一条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条
この法律は、プログラムの著作物に係る登録に関し、著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)の特例を定めることを目的とする。
(プログラム登録原簿等)
第二条
プログラムの著作物に係る著作権法第七十五条第一項、第七十六条第一項、第七十六条の二第一項又は第七十七条の登録(以下「プログラム登録」という。)についての著作権登録原簿(以下「プログラム登録原簿」という。)は、政令で定めるところにより、その全部又は一部を磁気テープ(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。次項において同じ。)をもつて調製することができる。
2 何人も、文化庁長官に対し、プログラム登録原簿のうち磁気テープをもつて調製した部分に記録されている事項を記載した書類の交付を請求することができる。
3 前項の請求をする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。
(プログラム登録の申請)
第三条
プログラム登録の申請をしようとする者は、政令で定めるところにより、申請に係るプログラムの著作物の内容を明らかにする資料として、当該著作物の複製物を文化庁長官に提出しなければならない。ただし、当該著作物につき、既に、申請に係るプログラム登録以外のプログラム登録がされている場合は、この限りでない。
(プログラム登録の公示)
第四条
文化庁長官は、プログラムの著作物に係る著作権法第七十六条第一項又は第七十六条の二第一項の登録をした場合においては、文部科学省令で定めるところにより、その旨を公示するものとする。
(指定登録機関の指定等)
第五条
文化庁長官は、その指定する者(以下「指定登録機関」という。)に、プログラム登録並びにプログラム登録につき第二条第二項又は著作権法第七十八条第三項に規定する請求に基づき行われる事務及び前条に規定する公示(以下「登録事務」と総称する。)の全部又は一部を行わせることができる。
2 前項の指定は、文部科学省令で定めるところにより、登録事務を行おうとする者の申請により行う。
3 文化庁長官は、指定登録機関に登録事務を行わせるときは、当該指定登録機関が行う登録事務を行わないものとする。
4 指定登録機関が登録事務を行う場合における第二条第二項、第三条及び前条並びに著作権法第七十八条第一項から第三項までの規定の適用については、これらの規定(同法第七十八条第二項を除く。)中「文化庁長官」とあるのは「指定登録機関」と、同法第七十八条第二項中「第七十五条第一項の登録を行なつたときは」とあるのは「指定登録機関が第七十五条第一項の登録を行なつたときは」とする。
(欠格条項)
第六条
次の各号のいずれかに該当する者は、前条第一項の指定を受けることができない。
一 この法律又は著作権法の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
二 第二十条の規定により指定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
三 その業務を行う役員のうちに、次のいずれかに該当する者がある場合
イ 第一号に該当する者
ロ 第十五条の規定による命令により解任され、その解任の日から二年を経過しない者
(指定の基準)
第七条
文化庁長官は、第五条第一項の指定の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、その指定をしてはならない。
一 文部科学省令で定める条件に適合する知識経験を有する者がプログラム登録を実施し、その数が文部科学省令で定める数以上であること。
二 登録事務を的確かつ円滑に行うに必要な経理的基礎及び技術的能力を有するものであること。
三 民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立された法人であつて、その役員又は職員の構成が登録事務の公正な遂行に支障を及ぼすおそれがないものであること。
四 登録事務以外の業務を行つているときは、その業務を行うことによつて登録事務が不公正になるおそれがないものであること。
五 その指定をすることによつて登録事務の的確かつ円滑な実施を阻害することとならないこと。
(登録の実施義務等)
第八条
指定登録機関は、プログラム登録をすべきことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、プログラム登録を行わなければならない。
2 指定登録機関は、プログラム登録を行うときは、前条第一号に規定する者(以下「登録実施者」という。)に実施させなければならない。
(実名の登録の報告義務)
第九条
指定登録機関は、著作権法第七十五条第一項の登録を行つた場合には、速やかに、文化庁長官に対し、同法第七十八条第二項に規定する告示のために必要な事項を報告しなければならない。
(事務所の変更)
第十条
指定登録機関は、登録事務を行う事務所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、文化庁長官に届け出なければならない。
(登録事務規程)
第十一条
指定登録機関は、登録事務に関する規程(以下「登録事務規程」という。)を定め、文化庁長官の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 登録事務規程で定めるべき事項は、文部科学省令で定める。
3 文化庁長官は、第一項の認可をした登録事務規程が登録事務の公正な遂行上不適当となつたと認めるときは、指定登録機関に対し、登録事務規程を変更すべきことを命ずることができる。
(登録事務の休廃止)
第十二条
指定登録機関は、文化庁長官の許可を受けなければ、登録事務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
(事業計画等)
第十三条
指定登録機関は、第五条第一項の指定を受けた日の属する事業年度にあつてはその指定を受けた後遅滞なく、その他の事業年度にあつてはその開始前に、その事業年度の事業計画及び収支予算を作成し、文化庁長官の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 指定登録機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の事業報告書及び収支決算書を作成し、文化庁長官に提出しなければならない。
(役員等の選任及び解任)
第十四条
指定登録機関の役員又は登録実施者の選任又は解任は、文化庁長官の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(解任命令)
第十五条
文化庁長官は、指定登録機関の役員又は登録実施者が、この法律(この法律に基づく命令又は処分を含む。)若しくは登録事務規程に違反したとき、又は登録事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定登録機関に対し、その役員又は登録実施者を解任すべきことを命ずることができる。
(秘密保持義務等)
第十六条
指定登録機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、登録事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
2 登録事務に従事する指定登録機関の役員又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(適合命令等)
第十七条
文化庁長官は、指定登録機関が第七条第一号から第四号までに適合しなくなつたと認めるときは、その指定登録機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
2 文化庁長官は、前項に定めるもののほか、この法律を施行するため必要があると認めるときは、指定登録機関に対し、登録事務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(帳簿の記載等)
第十八条
指定登録機関は、帳簿を備え、登録事務に関し文部科学省令で定める事項を記載しなければならない。
2 前項の帳簿は、文部科学省令で定めるところにより、保存しなければならない。
(報告及び立入検査)
第十九条
文化庁長官は、この法律の施行に必要な限度において、指定登録機関に対し、その業務若しくは経理の状況に関し報告させ、又はその職員に、指定登録機関の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第一項に規定する立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(指定の取消し等)
第二十条
文化庁長官は、指定登録機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて登録事務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第八条から第十条まで、第十一条第一項、第十二条、第十三条、第十六条第一項及び第十八条の規定に違反したとき。
二 第六条第一号又は第三号に該当するに至つたとき。
三 第十一条第一項の認可を受けた登録事務規程によらないで登録事務を行つたとき。
四 第十一条第三項、第十五条又は第十七条の規定による命令に違反したとき。
五 不正の手段により指定を受けたとき。
(聴聞の方法の特例)
第二十一条
第十五条の規定による解任の命令又は前条の規定による指定の取消しに係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
2 前項の聴聞の主宰者は、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十七条第一項の規定により当該処分に係る利害関係人が当該聴聞に関する手続に参加することを求めたときは、これを許可しなければならない。
(文化庁長官による登録事務の実施等)
第二十二条
文化庁長官は、指定登録機関が第十二条の許可を受けて登録事務の全部若しくは一部を休止したとき、第二十条の規定により指定登録機関に対し登録事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定登録機関が天災その他の事由により登録事務の全部若しくは一部を実施することが困難となつた場合において必要があると認めるときは、当該登録事務の全部又は一部を自ら行うものとする。
2 文化庁長官が前項の規定により登録事務の全部若しくは一部を自ら行う場合、指定登録機関が第十二条の許可を受けて登録事務の全部若しくは一部を廃止する場合又は第二十条の規定により文化庁長官が指定登録機関の指定を取り消した場合における登録事務の引継ぎその他の必要な事項については、文部科学省令で定める。
(指定登録機関がした処分等に係る不服申立て)
第二十三条
指定登録機関が行う登録事務に係る処分又はその不作為について不服がある者は、文化庁長官に対し、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による審査請求をすることができる。
(公示)
第二十四条
文化庁長官は、次の場合には、文部科学省令で定めるところにより、その旨を官報で告示しなければならない。
一 第五条第一項の指定をしたとき。
二 第十条の規定による届出があつたとき。
三 第十二条の許可をしたとき。
四 第二十条の規定により指定を取り消し、又は登録事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。
五 第二十二条第一項の規定により文化庁長官が登録事務の全部若しくは一部を自ら行うこととするとき、又は自ら行つていた登録事務の全部若しくは一部を行わないこととするとき。
(手数料)
第二十五条
指定登録機関がプログラム登録を行う場合において、その登録の申請をしようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を指定登録機関に納付しなければならない。
第二十六条
指定登録機関が登録事務(第四条に規定する公示を除く。)を行う場合には、第二条第三項若しくは前条又は著作権法第七十八条第四項の規定は、これらの規定により手数料を納付すべき者が国又は独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人(その業務の内容その他の事情を勘案して政令で定めるものに限る。)であるときは、適用しない。
第二十七条
第二条第三項若しくは第二十五条又は著作権法第七十八条第四項の規定により指定登録機関に納められた手数料は、指定登録機関の収入とする。
第二十八条
この章に規定するもののほか、指定登録機関の行う登録事務に関し必要な事項は、政令で定める。
第二十九条
第十六条第一項の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
第三十条
第二十条の規定による登録事務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした指定登録機関の役員又は職員は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
第三十一条
次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした指定登録機関の役員又は職員は、二十万円以下の罰金に処する。
一 第十二条の許可を受けないで登録事務の全部を廃止したとき。
二 第十八条第一項の規定に違反して帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は同条第二項の規定に違反して帳簿を保存しなかつたとき。
三 第十九条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。
(施行期日)
1 この法律は、昭和六十二年四月一日から施行する。ただし、第五条から第七条まで、第十条、第十一条、第十三条第一項、第十四条から第十七条まで、第十九条、第二十条(第三号を除く。)、第二十一条、第二十四条、第二十九条、第三十一条第三号及び次項の規定は、昭和六十一年十月一日から施行する。
(経過措置)
2 この法律の施行の日前に指定登録機関の指定がされた場合においては、指定登録機関は、第五条第一項の規定にかかわらず、その施行の日の前日までの間は、登録事務を行うことができないものとする。
(著作権法の一部を改正する法律の一部改正)
3 著作権法の一部を改正する法律(昭和六十年法律第六十二号)の一部を次のように改正する。
附則第一項中「附則第五項」を「附則第六項」に改め、附則第五項を附則第六項とし、附則第四項を附則第五項とし、附則第三項を附則第四項とし、附則第二項の次に次の一項を加える。
(創作年月日登録についての経過措置)
3 改正後の著作権法第七十八条の二に規定する法律の施行の日前六月以内に創作されたプログラムの著作物に係る著作権法第七十六条の二第一項の登録については、その施行の日から三月を経過する日までの間は、同項ただし書の規定は、適用しない。
(施行期日)
第一条
この法律は、行政手続法(平成五年法律第八十八号)の施行の日から施行する。
(諮問等がされた不利益処分に関する経過措置)
第二条
この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第十三条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第十三条
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(聴聞に関する規定の整理に伴う経過措置)
第十四条
この法律の施行前に法律の規定により行われた聴聞、聴問若しくは聴聞会(不利益処分に係るものを除く。)又はこれらのための手続は、この法律による改正後の関係法律の相当規定により行われたものとみなす。
(政令への委任)
第十五条
附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
(施行期日)
第一条
この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。
(施行期日)
第一条
この法律(第一条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。
(政令への委任)
第四条
前二条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。
(施行期日)
1 この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。
(調整規定)
2 犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律(平成十八年法律第 号)の施行の日が施行日後となる場合には、施行日から同法の施行の日の前日までの間における組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号。次項において「組織的犯罪処罰法」という。)別表第六十二号の規定の適用については、同号中「中間法人法(平成十三年法律第四十九号)第百五十七条(理事等の特別背任)の罪」とあるのは、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第三百三十四条(理事等の特別背任)の罪」とする。
3 前項に規定するもののほか、同項の場合において、犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律の施行の日の前日までの間における組織的犯罪処罰法の規定の適用については、第四百五十七条の規定によりなお従前の例によることとされている場合における旧中間法人法第百五十七条(理事等の特別背任)の罪は、組織的犯罪処罰法別表第六十二号に掲げる罪とみなす。
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