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特許協力条約

 ■前文

1970年6月19日ワシントンにて作成
1979年9月28日修正
1984年2月3日変更
2001年10月3日変更
2002年4月1日施行
前文
締約国は,
科学及び技術の進歩に貢献することを希望し,
発明の法的保護を完全なものにすることを希望し,
複数の国において発明の保護が求められている場合に発明の保護の取得を簡易かつ一層経済的なものにすることを希望し,
新たな発明を記載した文書に含まれている技術情報の公衆による利用が容易かつ速やかに行われるようにすることを希望し,
開発途上にある国の特別の必要に応ずる技術的解決の可能性に関する入手の容易な情報を提供することにより,また,絶えず増大する近代技術の利用を容易にすることにより,国内的制度であるか広域的制度であるかを問わず開発途上にある国における発明の保護のための法律制度の効率を高めるための措置を採用することを通じてその経済発展を助長し及び促進することを希望し,
諸国間の協力がこれらの目的の達成を極めて容易にすることを確信して,
この条約を締結した。

第1条 同盟の設立
(1) この条約の締約国(以下「締約国」という。)は,発明の保護のための出願並びにその出願に係る調査及び審査における協力のため並びに特別の技術的業務の提供のための同盟を形成する。この同盟は,国際特許協力同盟という。
(2) この条約のいかなる規定も,工業所有権の保護に関するパリ条約の締約国の国民又は居住者の同条約に基づく権利を縮減するものと解してはならない。
第2条 定義
この条約及び規則の適用上,明示的に別段の定めがある場合を除くほか,
(i) 「出願」とは,発明の保護のための出願をいう。「出願」というときは,特許,発明者証,実用証,実用新案,追加特許,追加発明者証及び追加実用証の出願をいうものとする。
(ii) 「特許」というときは,特許,発明者証,実用証,実用新案,追加特許,追加発明者証及び追加実用証をいうものとする。
(iii) 「国内特許」とは,国内当局によつて与えられる特許をいう。
(iv) 「広域特許」とは,2以上の国において効力を有する特許を与える権限を有する国内当局又は政府間当局によつて与えられる特許をいう。
(v) 「広域出願」とは,広域特許の出願をいう。
(vi) 「国内出願」というときは,この条約に従つてされる出願以外の国内特許及び広域特許の出願をいうものとする。
(vii) 「国際出願」とは,この条約に従つてされる出願をいう。
(viii) 「出願」というときは,国際出願及び国内出願をいうものとする。
(ix) 「特許」というときは,国内特許及び広域特許をいうものとする。
(x) 「国内法令」というときは,締約国の国内法令又は,広域出願若しくは広域特許にあつては,広域出願をすること若しくは広域特許を与えることについて規定している条約をいうものとする。
(xi) 「優先日」とは,期間の計算上,次の日をいう。
(a) 国際出願が第8条[優先権の主張]の規定による優先権の主張を伴う場合には,その優先権の主張の基礎となる出願の日
(b) 国際出願が第8条の規定による2以上の優先権の主張を伴う場合には,それらの優先権の主張の基礎となる出願のうち最先のものの日
(c) 国際出願が第8条の規定による優先権の主張を伴わない場合には,その出願の国際出願日
(xii) 「国内官庁」とは,特許を与える任務を有する締約国の政府の当局をいう。「国内官庁」というときは,2以上の国から広域特許を与える任務を委任されている政府間当局をもいうものとする。ただし,これらの国のうち少なくとも1の国が締約国であり,かつ,この条約及び規則が国内官庁について定める義務及び権限を負い及び行使することをこれらの国が当該政府間当局に委任している場合に限る。
(xiii) 「指定官庁」とは,第1章の規定に従い出願人によつて指定された国の国内官庁又はその国のために行動する国内官庁をいう。
(xiv) 「選択官庁」とは,第2章の規定に従い出願人によつて選択された国の国内官庁又はその国のために行動する国内官庁をいう。
(xv) 「受理官庁」とは,国際出願がされた国内官庁又は政府間機関をいう。
(xvi) 「同盟」とは,国際特許協力同盟をいう。
(xvii) 「総会」とは,同盟の総会をいう。
(xviii) 「機関」とは,世界知的所有権機関をいう。
(xix) 「国際事務局」とは,機関の国際事務局及び,それが存続する限り,知的所有権保護合同国際事務局(BIRPI)をいう。
(xx) 「事務局長」とは,機関の事務局長及び,それが存続する限り,知的所有権保護合同国際事務局の事務局長をいう。

 

 

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